方法論とは

ある目的を達成するためのやりかたを方法、 それについて考えることを方法論といいます。 世界で最初に方法論を説いたのはフランスの デカルトです。

■方法論の歴史
人間の意識する心(顕在意識)は、 知性・意志・感性で成り立つといわれます。 これらをコントロールする方法の歴史は、

■知性の方法
プラトン著 田中美知太郎・池田美恵訳 新潮文庫  人類史上に最初に知性のコントロール方法を考えたのは、ギリシアの哲学者プラトン(Platon 427〜347BC)です。 視覚や聴覚など肉体的感官を排除して純粋な思惟だけで真の実在を認識する「思惟の方法」です。 この方法は、 弟子アリストテレス(Aristoteles384〜322BC)から2,000年近くも受け継がれました。 その間違いを、ガリレイ(Galileo Galilei 1564〜1642)が指摘し、 科学の方法として現代に至ります。

■意思の方法
高田真治 後藤基巳訳 岩波文庫 人類は古くから意志 決定の方法を卜占に頼ってきました。中国では「易」(前1100頃〜前 256にかけて成立か?)です(左図)。 西洋ではホロスコープ(占星術)、日本では鹿占(しかうら)など。 中世になって人類は、仏教・キリスト教・イスラム教などの宗教教義により宿命・使命として意志を決定するようになりました。 現代においては宗教を否定し自分の利益を追求する方法に至ります。

■感性の方法
ブッダの言葉 中村元訳 岩波文庫 人間には本能的な欲望があります。 残虐性(殺生)、物欲、性欲、虚言、自己喪失(飲酒、麻薬など)です。 これら感性のコントロール方法を最初に説いたのが、ブッダ( buddha 566〜486BC、463〜383BCなど諸説)です。 やがてその教えは、ヘレニズム文化として西方に伝わり、キリスト教やイスラム教の戒律になったと考えられます。 現代において無神論者は、 人間科学により認められた欲望のままに突っ走り、資源枯渇や環境汚染ほか地球規模の危機に直面することになったのです。

方法論の語源

世界の歴史上最初に「方法論」(Methodology)を説いたのは、フランスの哲学者デカルト(Rene Descartes 1596〜1650)です。その語源は『方法序説』に依っています。
デカルトは、あらゆることを疑ってみるという認識方法を設定し、そこから論理を展開していったのです。「方法論」とは「方法」自体を体系的に理論づけることです。

科学の方法

■科学とは?
アメリカの物理学者ファインマン(R.P.Feynman 1918〜1988)によれば 「科学(science)とは真理の知識であり、実験により検証される」。

■「科学の方法」とは、
@ある分野について、 A原因と結果の関係について仮説を立て、 B実験により実証し、 C仮説を真理の知識とすることである。

■「科学の方法」の問題点
「科学の方法」は上記の4つのステップを踏みますが、 それぞれに問題点を孕らんでいます。

@分野についての問題点
例えば、ガンについて実際は、 医学だけでも栄養学、心理学ほか多くの分野が関わります。 しかし、医学では外科、内科、放射線科、化学療法科ほかに細分化され、 相互の交流がないので、最善の治療が施されない現状です。

A仮説の問題点
科学において「仮説」は突然に出されます。 「どういうわけでその仮説が導き出されたのか」 という根拠が示されないのです。 20世紀最大の天才といわれるアインシュタインでさえも、 ニュートンの仮説について「奇跡」というばかりなのです。

B実験の問題点
実験は、測定器により数値化して数式を当てはめます(数学表記)。 自然科学では、例えば望遠鏡など測定器、 運動には微積分などの数学表記が発明されてきました。 しかし、人間科学では、測定器は数を数えるカウンターと 統計学による表記しかないのです。 例えば、ある治療法で70%が治った場合、効果的と判断されますが、 治らなかった30%は切り捨て去られてしまうのです。

C真理についての問題点
自然は真理のみで構成されていますので、 自然科学は「科学の方法」で事足ります。 しかし、人間は真理だけで生きているのではなく、 意志も感情も持っているので、 「科学の方法」だけでは足りないのです。

文献による方法

■文献とは?
「広辞苑」(第五版)によれば、 「文献とは、ある研究題目についての参考論文の書誌」。

■「文献による方法」とは、
@あるテーマ(課題)について、 A文献によって仮説を立て、 B実験・臨床により実証し、 C仮説を多様な真理の知識とすることである。

■「文献による方法」の概要
「文献による方法」は、経験の蓄積としての文献を用いて、 「科学の方法」の欠点を補う方法です。

@テーマ(課題)の概要
科学の分野の専門家によるプロジェクトを結成し、 関係深い歴史的文献を持ち寄ります。 例えば、ガンについては、 医学の各分野、栄養学、心理学、代替療法などです。

A文献による仮説
科学の各分野には、現代では忘れられた歴史的文献が残っています。 そこに新しい仮説の生まれる可能性があります。 例えば、医学の分野では ガレノス(129?〜199?)による 「病は気(ギリシア語;Pneuma、英語;spirit)の異常から」という仮説。

B実験・臨床
歴史的な文献は、多くの迷信や独断が含まれています。 実験や臨床は、それらを排除してくれるのです。 例えば、ガレノスによると気(精気)は、脳の中の動物精気、心臓の生命精気、肝臓の自然精気に分かれて静脈を流れる、という。

C真理についての問題点
自然の真理、は単純な法則で成り立つので、 「科学の方法」だけで事足ります。 一方、人間は個人差があるので、 個々のケースについて客観的な記録をとることになります。