1 脳波を測定する第1ステップ

図 [Fig.01] は、被験者の額(ひたい)皮膚の中央に脳波検出器の電極を、また耳たぶにグランド電極を、それそれぞれ接触させた模式図です。

これは、知性をつかさどるといわれる大脳前頭葉前頭前野からの脳波を検出するためです。

なお、グランド(アース)電極は、脳波の影響が少ないとされる耳たぶに設置。

2 測定された脳波をデジタル変換してデジタル信号を出力する第2ステップ

図 [Fig.02] は、上記の第1ステップで得られたアナログ信号をデジタル変換し、増幅するとともに商用電源や瞬きによる筋電などのノイズをノイズフィルタにて排除した波形です。

この例では、サンプルレート512Hzで周波数範囲3〜100Hzをカバーしています。

3 デジタル信号をFFT解析して周波数毎の経時的なパワー変化を表示する時間軸スペクト ラムデータを生成する第3ステップ

図 [Fig.03] は、上記 [Fig.02] を1〜100Hzの周波数帯でFFT解析した周波数軸スペクトラムです。

3Hz未満のピークは、この脳波検出器自体に起因するノイズのため、3Hz以上のデータが保証されています。

100Hz付近のピークは50Hz商用電源の高調波なのでカットします。

4 前記時間軸スペクトラムデータについて、全周波数帯を複数の周波数帯に分割し、分割さ れた周波数帯ごとのパワー及び全周波数帯のパワーをそれぞれの平均値に置き換え て、平均値時間軸スペクトラムデータを生成する第4ステップ

図 [Fig.04] は、 [Fig.03] について 3〜27Hz、27.5〜63Hz、63.5〜99.5Hzの周波数帯に3分割した場合に、それぞれの平均値に置き換えて並べた時間軸スペクトラムです。

3〜27Hzの周波数帯に注目したのは、意識した場合の脳波帯仮説、θ波 (4-7Hz) 、α波 (8-13Hz) 、β波 (14-27Hz) を網羅していて、パワーが大きく変化しているので、以後これを全周波数帯とみなせるからです。

5 全周波数帯の平均値時間軸スペクトラムデータからスペクトル値に急激な変化が現れる特 定の時間幅を複数取り出して、各時間幅毎に周波数を軸とした周波数軸スペクトラムデー タを生成する第5ステップと、よりなる、脳波情報の取得方法。

図 [Fig.05] は、3〜27Hzの周波数帯における平均値時間軸スペクトラムを、そのばらつきの中心値μで区切ったところを、急激な変化が現れたとしています。

その時間幅は、1−10.5秒、11〜23秒、23.5〜27秒、27.5〜31秒、の4分割です

図 [Fig.06] は、上記4分割した時間帯の周波数軸スペクトラムです。このうち、1−10.5秒と23.5〜27秒は脳が活発に働いていることを示しています。

実は、これらのデータは、「リラックスして何も考えず何も感じないでいてください」と、未経験の被験者が指示された時の脳波なのです。

そのように指示されていたにもかかわらず、脳が働いていたということは、いわゆる「雑念」があったということになります。

Copyright(c) 1999-2020 houhouron.com All Rights Reserved. Design by http://f-tpl.com